浴衣を着たのに、髪だけ夕方にはボサボサ。写真を撮るころには後れ毛が飛び出して、「最初にもっときれいにしておけばよかった」と思うことはありませんか?
実は、浴衣ヘアアレンジは手先の器用さよりも、崩れる前のひと手間で仕上がりが変わります。難しい編み込みができなくても大丈夫です。ピンの留め方や土台の作り方を押さえれば、不器用さんでも夏祭りを最後まで楽しめる髪型にできますよ。
浴衣ヘアアレンジを崩れにくくする下準備
乾かしすぎない髪にスタイリング剤をなじませる
浴衣ヘアアレンジが崩れないかどうかは、結ぶ前にほぼ決まります。いちばん多い失敗は、サラサラに乾いた髪をそのまま結び始めることです。手触りはいいのですが、髪同士がすべりやすく、ゴムもピンも抜けやすくなってしまいます。
朝シャンをした日は、根元までしっかり乾かしたあと、毛先だけに少量のヘアオイルをなじませましょう。そのうえで、まとめる部分にはワックスやバームを薄くつけます。ベタベタにする必要はありません。手のひらに広げてから、髪の内側を中心にもみ込むくらいで十分です。
とくに、細くてやわらかい髪は、何もつけずにアレンジするとするっと抜けちゃってることが多いです。反対に、オイルをつけすぎると重みでカールが落ちる場合もあります。まずは小豆粒ほどから始めて、足りない部分だけ足してください。
湿気が気になる日は、表面の短い毛にスプレーを軽く使うのもおすすめです。ただし、髪全体を固めるより、崩したくない表面だけを守るイメージが自然に見えます。
ゴム・ピン・鏡は「見えない部分」ほど準備する
不器用な方ほど、アレンジの途中でピンが足りなくなったり、鏡で後頭部が見えなかったりして焦りがちです。焦って留めたピンは浅く入りやすく、歩いているうちに緩む原因になります。
準備するものは、細いゴムを3~5本、アメリカピンを8~12本、Uピンを2~4本、小さめの手鏡です。髪が多い方は、ゴムもピンも少し多めに用意しましょう。100人中5人くらいは「ピン2本だけで何とかしよう」とされますが、浴衣の日は長時間のお出かけです。予備があるだけで安心感が違います。
アメリカピンは、波打っている面を頭皮側にして使います。開いたまま挿すのではなく、留めたい毛束を押さえ、一度逆方向から入れてから返すのがコツです。これだけで抜けにくさが変わります。
また、鏡は正面用だけでは足りません。洗面所の鏡と手鏡を向かい合わせにすると、後ろ姿まで確認できます。浴衣ヘアアレンジは正面より後ろを見られる場面が多いので、出発前に一度チェックしておきましょう。
不器用でもできる崩れない浴衣ヘアアレンジ5選
1. くるりんぱだけで作る低めシニヨン
いちばん失敗しにくい浴衣ヘアアレンジは、首元でまとめる低めシニヨンです。上品に見えやすく、歩いたり屋台で食べたりしても髪が邪魔になりにくいのが魅力。髪が肩下から鎖骨あたりまである方に向いています。
やり方は、耳より少し下の位置でひとつ結びを作ります。結び目の上に指で穴を開け、毛束を上から通してくるりんぱします。次に、毛先を三つ編みにしてゴムで結び、その三つ編みをくるりんぱの穴へ丸め込んでピンで固定してください。
ここで大切なのは、最初のひとつ結びをゆるくしすぎないことです。ふんわり見せたいからとゴムを甘くすると、土台ごと下がってしまいます。まずはしっかり結び、固定してから表面の毛を少しずつ引き出しましょう。
髪飾りはシニヨンの横か、結び目の上につけるとバランスが取りやすいです。実は、、、髪飾りそのものがピンを隠してくれるので、多少留め方に自信がない日にも便利です。
2. ねじるだけのハーフアップ風おだんご
ミディアムヘアや、全部まとめると顔がすっきりしすぎる方には、ハーフアップ風のおだんごがおすすめです。髪を巻くのが苦手でも、ねじりを入れるだけで浴衣らしいやわらかな印象になります。
まず、耳上の髪を左右に分けます。それぞれを後ろに向かってねじり、後頭部の中央でゴム留めします。残った毛束を二つに折って小さなおだんごにし、毛先をゴムの周りに巻きつけてピンで留めれば完成です。
崩れない浴衣ヘアアレンジにするには、左右のねじりを同じ高さで持ってくることがポイントです。片方だけ低いと、時間がたつほど重さが一方にかかります。鏡で確認しながら、耳の付け根を目安にするとそろえやすいですよ。
下ろした髪は、毛先だけワンカールさせるとまとまりやすくなります。ストレートのままでも問題ありませんが、毛先に少し動きがあると、後れ毛が出ても「崩れた感じ」に見えにくいのです。
3. 三つ編みを巻きつける編み込み風アップ
編み込みができない方でも、三つ編みならできることが多いですよね。この浴衣ヘアアレンジは、三つ編みを使って編み込み風に見せるやり方です。髪が多い方や、首元をすっきり見せたい方にもぴったりです。
髪を低い位置でひとつに結び、毛束を二つに分けます。それぞれを三つ編みにして、毛先を細いゴムで留めましょう。片方の三つ編みを結び目の周りに巻きつけ、ピンで2~3か所固定します。もう片方は反対方向から重ねて留めれば、立体感のあるアップスタイルになります。
ピンは三つ編みの表面だけでなく、三つ編みと土台の髪を一緒にすくうように挿してください。飾りのように表面へ刺すだけでは、電車の揺れや風で外れやすくなります。
毛束が太すぎて巻きにくい場合は、三つ編みを少しほぐす前に固定するのが正解です。先にほぐすと幅が広がり、ピンで留める場所が定まりません。固定後に少しずつ引き出す。この順番がきれいに見せるコツです。
4. ひとつ結びを華やかに見せる玉ねぎポニー
髪を下ろしたいけれど、暑さや絡まりが心配な方には玉ねぎポニーが向いています。ゴムを使う回数は増えますが、難しい手技はありません。髪が長い方なら、浴衣ヘアアレンジ初心者でも挑戦しやすいスタイルです。
まず、耳の高さか少し低い位置でひとつ結びをします。結び目から5~7cm下をゴムで結び、その間の毛束を丸く引き出します。同じ作業を毛先まで2~4回くり返せば完成です。ゴムの間隔をそろえると、きちんと感が出ます。
崩れないようにするには、玉ねぎ部分を引き出しすぎないこと。横幅を出したい気持ちはわかるのですが、引き出す量が多いと毛束がほどけやすくなります。指先で1~2mmずつつまむ程度で十分です。
ゴムが見えるのが気になるときは、浴衣の帯や髪飾りの色に合わせたゴムを選びましょう。無理に毛束を巻きつけるよりも、暑い日の外出ではゴムをしっかり見せるほうが安定します。
5. 短めヘアでもできるねじり留めアレンジ
ボブや肩につかない長さだと、「そもそもまとめられない」と感じるかもしれません。でも、短い髪は無理にアップにせず、ねじり留めで整えるだけでも十分に浴衣に合います。むしろ、首元の短い髪が涼しげに見えることもあります。
分け目を少し横にずらし、顔周りの髪を片側ずつ後ろへねじります。ねじった毛束を耳後ろでアメリカピン2本使って固定し、反対側も同じように留めましょう。ピンが見える場合は、髪飾りを片側に寄せてつけると自然です。
短い髪は、後れ毛と崩れ毛の境目が曖昧になりやすいのですが、こめかみと耳前に細い毛束を少し残しておくと整って見えます。それ以外の短い毛は、ワックスを指先につけて押さえるのがおすすめです。
ここだけの話なんですが、短めヘアは盛りすぎないほうが浴衣との相性がいいことも少なくありません。髪飾りを主役にして、髪はすっきりまとめる。この引き算が、写真でも大人っぽく映ります。
髪の長さ別の簡単なやり方
ボブ・ミディアムは「留める場所」を増やしすぎない
ボブからミディアムの浴衣ヘアアレンジでは、短い毛を全部押し込もうとしてピンだらけになる失敗がよくあります。ピンが増えるほど固定できそうに思えますが、髪の中でピン同士が押し合い、かえって浮いてくることもあります。
この長さなら、固定する場所は左右の耳後ろと後頭部中央の3か所を基本にしましょう。ねじり留め、ハーフアップ、小さめシニヨンのように、土台が少ないスタイルを選ぶと崩れにくくなります。
襟足の毛が落ちやすい場合は、先に襟足だけを細いゴムで結んでから、上の髪をかぶせるやり方が便利です。ゴムが見えなくなり、短い毛が首に張りつく不快感も減らせます。
毛先が外にはねるときは、ストレートアイロンで強く伸ばすより、毛先だけを内側へ軽く入れましょう。きっちりそろえすぎず、少し丸みを残すほうが、浴衣のやわらかな雰囲気になじみます。
ロングヘアは重さを分散させてまとめる
ロングヘアはアレンジの幅が広い反面、髪の重さで崩れやすい長さです。大きなおだんごをひとつ作ると華やかですが、毛量がある方は夕方に土台が下がってくることもあります。
ロングの浴衣ヘアアレンジでは、毛束を二つか三つに分けてからまとめるのが基本です。三つ編みを2本作る、くるりんぱを入れてからおだんごにするなど、重さを分散させる工程を入れてください。
また、ゴムは太いものより細いものを何本か使うほうが、仕上がりを調整しやすいです。最初の土台だけは切れにくいゴムを使い、その後の毛先には細いゴムを使うと安心です。
髪飾りをつける位置も重要です。重い飾りをおだんごの下につけると、髪型を下へ引っ張ってしまいます。土台の横か上側に添えると、重みを感じにくく、写真を撮ったときのバランスも整います。
夏祭り・花火大会で崩れたときの直し方
ほどけた部分は全部やり直さず「土台」だけ締め直す
夏祭りの途中で浴衣ヘアアレンジが崩れると、全部やり直さなければと思ってしまいますよね。でも、屋外で鏡も時間もないときは、完璧を目指さないほうがうまくいきます。直すべきなのは、見た目ではなく土台です。
まず、ゴムが下がっているなら、その結び目を指で押さえて締め直します。おだんごがゆるんだ場合は、外れかけた毛先を元の位置へ戻し、Uピンかアメリカピンを追加してください。
表面のふわっとした部分は、多少乱れていても大丈夫です。むしろ、少しだけ毛束を引き出して整えれば、最初からゆるく作ったように見えます。崩れた部分を隠すために髪を引っ張りすぎると、頭皮が痛くなったり、さらにピンが抜けたりします。
予備のゴムとピンを巾着に入れておくだけで、直しやすさは大きく変わります。小さな手鏡もあると、トイレの鏡が混んでいるときに助かりますよ。
汗・湿気で浮く短い毛は、手のひらで押さえる
暑い日の崩れは、ゴムやピンだけが原因ではありません。汗や湿気で髪が広がり、表面の短い毛が浮く「アホ毛みたいな現象」が起こりやすくなります。とくに前髪とこめかみは、写真に写りやすい場所です。
このとき、乾いた手で何度もなでるのは逆効果です。摩擦で髪が広がりやすくなります。少量のバームかワックスを手のひらに薄く広げ、浮いた毛を上からそっと押さえましょう。
前髪が割れたときは、分け目を無理に元へ戻さず、いつもより少し横へ流すのもひとつの手です。浴衣の日は、前髪をきっちり作り込むより、顔周りにやわらかさがあるほうが自然だったりします。
どうしても直らないときは、髪飾りの位置を少し前へずらすのもおすすめです。視線が飾りへ向くため、細かな乱れが目立ちにくくなります。最後まで楽しく過ごすために、直し方も「隠す」より「なじませる」と考えてみてください。
浴衣ヘアアレンジを長持ちさせるコツ
出発直前に作らず、30分ほどなじませる
浴衣ヘアアレンジは、完成した直後よりも、少し時間がたってからのほうが髪とピンがなじみます。出発の5分前に急いで作ると、ピンの浮きや毛束の緩みに気づけないまま外へ出ることになりがちです。
できれば、出発の30分前には髪型を完成させましょう。その後にメイクを整えたり、持ち物を確認したりして過ごすと、動いたときにどこが緩むか確認できます。
家を出る前に、首を左右に振る、少し下を向く、笑ってみる。この3つを試すだけでも、崩れやすい部分が見つかります。痛いピンがあるなら、この段階で差し替えてください。
髪型は動かないことが正解ではありません。自然に頭を動かせて、土台がずれない状態が理想です。自分で作るときほど、完成写真だけでなく、動いたときの感覚を大切にしましょう。
浴衣の雰囲気に合わせて「作り込み」を減らす
崩れない浴衣ヘアアレンジを作ろうとして、編み込み、ねじり、カール、飾りを全部入れると、かえってまとまりにくくなります。工程が増えるほど、どこか1か所が緩んだときに全体へ影響しやすいからです。
柄が華やかな浴衣なら、髪型は低めシニヨンやねじり留めのようにシンプルで十分です。反対に、無地や細かな柄の浴衣なら、玉ねぎポニーや三つ編みアップで少し立体感を足すとバランスが取れます。
髪飾りも、大きなものを1つか、小さなものを2~3個までにすると扱いやすいです。飾りを増やしすぎると、ピンを挿す場所が限られ、留め直しもしにくくなります。
「手が込んで見える」ことと、「工程が多い」ことは別です。自分が最後まで気にせず楽しめる髪型こそ、いちばん似合う浴衣ヘアアレンジです。
崩れないかどうかは、技術より道具です。夏祭りは汗をかいて、人にぶつかって、腕を上げます。
まとめ
浴衣ヘアアレンジを崩れない仕上がりに近づけるには、難しい技術よりも順番が大切です。
・結ぶ前にバームやワックスを薄くなじませる
・ゴムはしっかり、ふんわり感は固定した後に作る
・ピンは毛束と土台の髪を一緒にすくって留める
・髪の長さに合う、無理のないやり方を選ぶ
・予備のゴムとピンを持ち歩き、崩れたら土台から直す
不器用だからと、浴衣の日の髪型をあきらめなくて大丈夫です。まずはくるりんぱやねじり留めなど、できそうな浴衣ヘアアレンジをひとつ選んでみてください。今朝の鏡の前で少し練習するだけでも、夏祭り当日の安心感が変わりますよ。